出産は十人十色。赤ちゃんとの対面は楽しみですが、不安や心配も多いものですよね。
このシリーズでは、みんなの「初産」の体験談を赤裸々に紹介しています。今回は、妊娠中や出産中に起きた、思いがけない体調変化やトラブルのお話。たくさんのママからお聞きした出産エピソードの中から、一部をご紹介します。
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普段の血圧は100以下だったのに、出産予定日の3週間前の健診で130台に…。
妊娠高血圧の一歩手前だと診断されました。
それまでは自然分娩の予定でしたが、医師に無痛分娩を勧められ、そうすることに決めました。無痛分娩のお薬を使い、ほぼ痛みなく出産できました。
陣痛が始まってから6時間後には産まれてきてくれて、安産でした。
(第一子出産時:26才)
大学病院で出産し、退院して数日後。
朝、洗濯物を干そうとしてたら、なにか「ドゥルン」って塊が出た…。
なんと、出産時に胎盤が全部出きっていなかったらしく、また大学病院に入院。本当は私だけ入院してと言われましたが、生後1週間程の長男を残すなんてできない…!と泣いて、長男も特別に一緒に入院させてもらいました。
まさかの2度目の分娩台に上がり、胎盤を剥がし出す処置をして、無事退院しました。
出産よりも、胎盤を剥がし出す処置の方が痛かった…。
妊娠中、長男にも病気が見つかり、私自身も妊娠糖尿病や前置胎盤、低地胎盤などが指摘され、最悪の場合、子宮全摘出になるかもしれないと言われて不安でしたが、その後次男も誕生し、本当に良かったです。
妊娠・出産は、本当に命懸けですね。
(第一子出産時:36才)
健診で、胎児が小さめだとずっと言われていました。
産院で「37週直前でも1800gくらいかも。心配なら大きな病院を紹介するよ。そこで大丈夫!って言ってもらえたら安心でしょ」と言われ、夫と一緒に大きな病院へ。
真剣に何度もエコーをする先生。モニターにはこれまでの健診では見たことのない青と赤で染まった心臓みたいなものが映っていました。
何を言われるんだろう…と心配していたら、先生から「入院してください。赤ちゃんにいく酸素量が減っていて、赤ちゃんが苦しいかも。羊水も減っているかも。最悪、今日出産です」と言われ、パニック!
看護師さんが「旦那さん、急にどこかへ行かないでね。書類のサインなど必要なことがあるから」と言われ、緊急性の高さがうかがえました。
医師のみなさんの協議の結果、赤ちゃんが苦しそうだから、早く出してあげた方がいいだろうということになり、緊急帝王切開が決定。
手術の説明、たくさんのサイン、手に力が入らない…。
診察が昼前でしたが、16:40には手術室へ。心の準備をする時間なんてありませんでした。
急な手術に不安がる私に、検査を担当してくださった看護師さんが「赤ちゃんを無事に元気に産むことだけ考えよう。お腹の中で赤ちゃんもがんばってるから、お母さんもがんばって出産しようね」と言ってくれたことを思い出し、赤ちゃんが無事に生まれてくることだけに思いを注ぎました。
と言いつつも、実況中継してくれる看護師さんの手を強く握りしめながら「お願い!泣いて!」と何度も念じました。
赤ちゃんの産声が聞こえた瞬間はただただ「よかったぁ…泣いたぁ…」と安堵したのを覚えています。心構えも何もなかったから、感動の涙は出ませんでしたが、白いタオルに包まれた小さな我が子と初対面を果たし、嬉しかったです。
「赤ちゃん、保育器でNICUにいくね」と言われ、しばしのお別れ。
泣いてくれて本当によかったね、と看護師さんと話しました。
息子は1616gと、普通の赤ちゃんの半分くらいの重さでしたが、幸い哺乳力もあり、37週も超えていたこともあって、小さいけれど元気だと医師から教えてもらいました。
現在ではおしゃべりで元気いっぱい、車が大好きな3歳になっています。
わたしは長男の妊娠出産を通して、命が育まれること、無事に外の世界へ生まれてくることは当たり前じゃない、奇跡の連続なんだと実感しています。
大きくなってきて、大変なことも増えていますが、いつも出産時の「泣いてくれ!」の思いや、助かった命であることを思い出し、この成長も当たり前じゃないと思えます。
他の赤ちゃんより小さく心配もたくさんしましたが、命の誕生は神秘であり奇跡です。
生まれてきてくれてありがとう。愛してるよ。
(第一子出産時:31才)
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命がけの出産。予想もしていなかったトラブルや、思いがけない体調変化がありますね。
貴重な経験を教えてくださった3人のママさん、本当にありがとうございました。そして、母子ともに無事で本当によかったです。
これからもすくすく元気に育ちますように。
これまでの体験談はこちら
みんなの初産体験談vol.01「いきなりくる!? 破水の話」
みんなの初産体験談vol.02「陣痛中の食事、どうしてた?」