このたび大和屋では、2023年夏に「ベビーベッドのレンタル事業」をスタートします。
本格的なサービス開始に先駆けて、2022年12月から、ベビーベッドレンタルのテスト期間として、数量限定・特別価格で「パタンⅡ」をレンタルするサービスをスタートしました。
今回は、改めてメーカーとしてレンタル事業を始めようと思ったきっかけや、この事業に対する想いなどを、yamatoya初のレンタル事業を担当するお二人にお聞きしました。
《お話を聞いたひと》
yamatoya 奥村さん・神園さん
yamatoyaの製品の企画・デザインはもちろん、製品開発や量産管理など、製造にかかわるさまざまなセクターを担当する企画開発部の奥村さんと、オンラインショップの運営やカスタマー対応などを担当する傍ら、商品開発や新規プロジェクトの企画運営にも携わる営業部の神園さんにお話をお聞きしました。
ベビーベッドのレンタル事業をスタート
ー大和屋さんとしては初となる、ベビーベッドのレンタル事業のテスト期間が始まったんですね。
はい。大和屋の企業理念「コドモとツクルくらし」の取り組みのひとつとして、ベビーベッドのレンタルサービスを開始することになりました。
本格的なリリースは今年の夏頃の予定ですが、それに先駆けて、2022年12月から、約半年間の試験導入期間として、レンタルサービスを始めました。
ーそもそも、レンタルを始めることになったきっかけは?
シンプルに、少しでも多くのママ・パパに、“ベビーベッドのある暮らし”を届けたい、という想いが一番強いです。赤ちゃんの安全やママやパパの負担を考えたとき、子育てにおけるベビーベッドの存在はとても大きいです。
ベビーベッドがあることで、赤ちゃんの安全性の確保はもちろん、お世話をする人にとっても負担減につながると思います。でも現状は、約3割のご家庭が、何らかの理由で「ベビーベッドを使っていない」と言われています。
今回、新たにベビーベッドのレンタル事業を始めることにより、少しでも多くのママ・パパに「ベビーベッドがある、安全で快適な暮らしを届けたい」というのが大きな願いです。
もしかしたら、短期間だけ使うものなので導入を躊躇しているというママやパパもいるかもしれませんが、そんなご家庭にも「ベビーベッドを使ってみようか」という選択肢が増えるといいなと思っています。
ーなるほど。ということは、これまではyamatoyaのベビーベッドは販売のみだったんでしょうか?
いえ、これまでも、レンタル会社さんが弊社のベビーベッドを扱ってくださったことはありましたが、今回は自社の独自事業として開始することにしました。
私たち大和屋は「コドモとツクルくらし」を理念に、赤ちゃんのうちはもちろん、その後も子どもの成長に合わせたさまざまな製品を展開しています。
ベビーベッドというプロダクトを通して、お子さんがいる暮らしの一歩目から、より多くの親子さんと繋がりを持つきっかけになったら、私たちとしてもとても嬉しいです。
あとは、レンタルだと使用後に破棄されることなく弊社で回収し、正しくメンテナンスをしたうえでリユース・二次流通などに回していけます。つまり、安全性をしっかり担保したうえで、エコな木材資源をさらに有効につかう循環型システムを構築することが可能です。
そういった点からも、私たちメーカーがレンタル事業を開始する意味があると感じています。
安全性の確かなベビーベッドを使ってほしい
ーフリマアプリなどでいろいろな中古品が出回る現代なので、メーカーさんによるレンタルはとても心強くて、安心ですね。
ベビーベッドは高い買い物なので、中古品を探しているお客様も多い印象なのですが、中古市場には安全性の不確かなものも混ざって流通しているのが現状です。中にはレール溝が割れていたり、部品が劣化して機能していなかったり、安全表示シールが剥がされているものなども見かけます。
ベビーベッドには、国で定められた細かい安全基準があり、とても厳しい検査が義務付けられている「PSCマーク」と「SGマーク」の対象製品です。この2つのマークの安全基準をクリアし、認定を取得する必要があります。
特にPSCマークの対象は国内で10品目ですが、ベビーベッドはさらに厳しい検査に合格しないと販売できない「特別特定製品」に定められていて、この特別特定製品というのは現在国内では4品目だけ。非常に厳しい安全基準があるんです。
生まれたての赤ちゃんを寝かせる場所にもかかわらず、安全性が不確かな中古品が多く出回っていることに、私たちはとても不安を抱えています。
今回、ベビーベッドの販売だけでなくレンタルへ事業を広げることで、安全性の不確かな中古品の流通を少しでも防ぎ、メーカーが正しくメンテナンスしたものを安全に使っていただきたいという思いも強いです。
ーレンタルから回収、リユースまではどんな流れになるのでしょうか。
レンタルで使っていただいたベビーベッドは各ご家庭へお送りし、お申し込みいただいた期間、お使いいただきます。その後、大和屋本社にて回収し、本社作業室、もしくはメンテナンスをお願いしている工場へ戻して、リペアや修繕、クリーニングを行います。厳しい安全基準に基づいて、今一度安全性をしっかりとチェックしたうえで、また次のお客さまにお送りし、使っていただくというサイクルです。
私たちは、長く使っていただけるベビーベッドをつくり続けていきたいと思っていますが、ご家庭やごきょうだいの事情によっては、数ヶ月〜数年使っただけでもういらなくなる、ということもあると思います。
私たちはメーカーとして、常に安全第一で、繰り返し使い続けていけるスキームを生み出すことで、限られた資源を大切に使っていくことを、この事業を通して発信していきたいと思っています。
お客様と一緒に、「コドモとツクルくらし」を
ー最後に、今夏本格始動するレンタル事業の展望について、教えてください。
これからも、0才から6才の子ども向け家具メーカーならではの提案をし続けられるような商品ラインナップやサービス内容を、お客様と一緒に作り上げていきたいと思っています。今回のベビーベッドのレンタルは、その始まりに過ぎません。
「ベビーベッドのある暮らしを、多くのお客様に提供したい」「安全性の高いものを正しく使っていただきたい」という想いに加えて、ベビー家具メーカーとして「多くのお客様との直接的な繋がりを増やしていきたい」という思いもあります。。
そして、こういった繋がりから、「コドモとツクルくらし」が始まり、広がっていくと思います。
エコと自然環境、そして私たちがメーカーとして推奨する確かな安全性に配慮したレンタル事業の展開が、たくさんの親子さんの笑顔につながることを祈っています。
ライター 後藤麻衣子