赤ちゃんを意識しはじめたタイミングや、妊娠をきっかけに、日々の食事を見直す人は多いと思います。
「なるべく身体にいいものを食べたいけれど、なにから始めればいいの?」と、迷うこともありますよね。
以前、妊娠期に必要な栄養素や控えたい食べもの、おすすめレシピなどを紹介した「妊娠中のNG食材、量に気をつけたい食材は? &妊娠期おすすめレシピ」に続き、今回はマタニティ期に配慮した食品「マタニティフード」について、看護師でマタニティフードアンバサダーとしても活躍するyuuさんにお聞きします。妊娠期におすすめのレシピもお楽しみに!
《教えてくれた人》
yuu さん
看護師・保健師・マタニティフードアンバサダー
看護師として10年近く病院で勤務し、妊娠・出産。産後半年で復帰し、現在は共働き。看護師のほか、保健師、食生活アドバイザーのほか、日本マタニティフード協会認定のマタニティフードアンバサダーの資格を持つ。2023年10月生まれの男の子と、夫と3人暮らし。
妊娠中に積極的に摂りたい栄養素は?
お母さんの健康とお腹の赤ちゃんのために、普段よりも積極的に摂ったほうがよい栄養素は、タンパク質、鉄分、葉酸、カルシウム、食物繊維をはじめ、いくつかあります。
それぞれの栄養素についてみていきましょう。
タンパク質
お母さんにとっては体力や免疫力をつけるために、赤ちゃんにとっては筋肉や血液をつくり成長していくために大切です。肉、魚、卵、大豆に多く含まれています。
鉄分
赤ちゃんに酸素や栄養を血液から届けるために、なんと妊娠前の3倍以上も必要だといわれています。レバーのほかにも、牛肉やあさり、小松菜やほうれんそう、海藻に多く含まれます。ビタミンCやタンパク質と一緒にとると、吸収率が高まります。
葉酸
妊娠が分かる前から葉酸を摂ると、赤ちゃんの脳や神経系の障害の発症リスクを抑える効果があるといわれています。ほうれん草、ブロッコリー、いちごに多く含まれています。必要な量を毎日摂取するのが難しい人は、手軽に続けられるサプリメントもよいでしょう。
カルシウム
赤ちゃんの骨や筋肉をつくるために必要です。乳製品や、緑黄色野菜、枝豆、小魚、桜エビに多く含まれていて、不足している人が多い栄養素なので、妊娠中はより意識して摂りましょう。卵、青魚やきのこ類に多く含まれるビタミンDと一緒に摂ると吸収率が高まります。
食物繊維
妊娠中は腸が圧迫されて便秘になりがちです。こまめな水分摂取とともに、食物繊維を積極的に摂りましょう。いも類、きのこ類、ごぼう、おから、ナッツに多く含まれます。
「マタニティ―フード」って知っていますか?
「マタニティフード」という言葉を、耳にしたことがありますか?
マタニティフードとは、マタニティ期(妊活中、妊娠中、授乳中)の人に配慮した食品のことで、厚生労働省が示す食事や栄養摂取の基準に基づいて、おすすめできる食材やメニューなのかどうかを示すマークが付与されています。
妊娠中は、つわりや疲れやすさなど体調の変化があるなかで、赤ちゃんの成長のために必要な栄養を摂れるよう食事に気を配らなければいけません。
そのうえで、口にするものすべてに「これって食べていいの?」という不安がつきまとうと、知らないうちにストレスが溜まってしまいます。
妊婦さんが安全でおいしく、栄養もとれるお気に入りのマタニティフードがあれば、楽しい食事の手助けになると思います。
妊婦さん自身がストレスを溜めすぎず、心も身体も健康に過ごすことが、赤ちゃんにとっても大切なのです。
今、マタニティフード認定は広がりを見せていて、さまざまな企業でマタニティ期に特化した商品開発が進められています。スーパーなどでも見つけられると思います。ぜひ、食材を選ぶ基準のひとつとして、覚えておいてくださいね。
また、マタニティフード協会の公式サイトに詳しいことが掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。
ちなみにわたしのお気に入りは、フジパン株式会社から出ている「北海道小麦食パン」です。
北海道小麦だけで作った小麦粉を使用した原料にこだわった食パンということで、そのまま食べてもしっとり&ふわふわで驚きました。
むしろ、トーストしないほうがおいしさの分かる食パンで、置いていたら、夫がおやつがわりにかじっていました(笑)。
おすすめレシピ「栄養満点!豆腐と長芋のお好み焼き」
ここからは、私が妊娠中によく食べていた、おすすめのレシピをご紹介します。
妊娠中に食べたくなるものは人それぞれ違いますが、私はソース味が無性に食べたくなりました。粉ものでも罪悪感なく食べられる食材を使って、お好み焼きをつくりました。
豆腐と長芋入りお好み焼き
《材料》(2枚分)
・木綿豆腐 150g(3連パック1個分)
・卵 1個
・長芋 100g
・キャベツ 100g
・豚肉 100g
・桜エビ 適量
・米粉 大4
・しょうゆ 小1/2
・かつお削り粉 小1(和風だしでも代用可)
【味付け・トッピング例】
・お好み焼きソース
・マヨネーズ
・かつお節
・青のり
※お好みに合わせてご用意ください
《つくりかた》
1.ボウルに木綿豆腐を入れてつぶす。
2.長芋はすりおろし、キャベツはみじん切りにする。
3.①のボウルに、②の長芋とキャベツ、卵、桜エビ、米粉、しょうゆ、かつお削り粉(または和風だし)を入れて混ぜ合わせる。
4.フライパンに油(分量外)を熱し、③の生地を流し入れる。その上から豚肉を広げて乗せる。
5.焼き色がついたら裏返し、蓋をして火が通るまで焼く
★お好み焼きソースは手作りできます!
ウスターソース、ケチャップ、砂糖を合わせて、レンジ(600w)で1分間加熱するだけで完成!割合の目安は、ウスターソース:ケチャップ:砂糖=3:3:1ですが、これだと少し甘めの味付けです。お好きな味わいを探してみてくださいね。
★具材で、さらにアレンジ!
シーフードミックスやキムチ、明太子などを入れても美味しいです。⑤で生地を裏返したあとに、ピザ用チーズをのせるのもおすすめです。
おすすめレシピ「混ぜて凍らせるだけ!お手軽アイス」
つわりで気持ち悪いとき、食欲が出なかったときに、とても助かった、混ぜて凍らせるだけでできるアイスです。
基本的には1時間ほど冷やし固めると、程よい口当たりに仕上がりますが、冷凍する時間が長くなってしまうときは、途中で一度取り出して混ぜてみてください。そうすることで空気を含み、固くなりすぎずに程よい食感を味わえます。
好きなフルーツを入れたり、きなこやココアなどを使ったりとアレンジも自在。ぜひお好みの組み合わせを見つけてみてくださいね!
バナナヨーグルトアイス
《材料》
・バナナ 1本
・レモン汁 小1
・ヨーグルト 50g
※きな粉やスキムミルク、ココア、ごまなどお好みで
《つくりかた》
1.バナナを容器に入れて、フォークやマッシャーなどでつぶす
2.①に、すべての材料を合わせて混ぜる
3.冷凍庫で1時間ほど冷やし固める
ブルーベリーアイス
《材料》
・ヨーグルト 50g
・ブルーベリー 10g
・砂糖 小1(はちみつやメープルシロップでもOK)
《つくりかた》
1.ヨーグルトと砂糖を容器に入れ、混ぜる
2.ブルーベリーを散らす
3.冷凍庫で1時間ほど冷やし固める
ヨーグルトはそのまま使っても美味しいですが、水切りして半量になった(100gのヨーグルトが水切り後に50gになったもの)を使うと、より濃厚なアイスになります(ギリシャヨーグルトを使用してもOK)。
豆乳甘酒アイス
《材料》
・豆乳 50g
・甘酒 50g
※きな粉やごまなどお好みで
《つくりかた》
①すべての材料を容器に入れ、混ぜる
②冷凍庫で1時間ほど冷やし固める
バナナヨーグルトアイスは、小さいお子様でも食べられるので、一緒に作ってみるのもおすすめです。
やさしい甘さに癒される甘酒は「飲む点滴」といわれるほど栄養価が高く、アイスにするとまたひと味違った美味しさです。甘酒は、米麹から作られたアルコールの含まない甘酒を使用してくださいね。
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2回にわたって、妊娠期に積極的に食べたい栄養素やマタニティフードについて、おすすめレシピを交えて教えていただきました。
すべて一度には難しいかもしれませんが、パートナーやご家族と一緒に、興味のあるところから少しずつ意識して取り入れてみてくださいね。